東稜コースから南尖鋒に上がったらそのまま反対側に降りて行く。岩盤がむき出しでその急な斜めの岩盤の上を歩くのを嫌う登山者が岩盤のすぐ横の土の上を歩くために、土が崩れ落ちて岩場の面積が増えているように感じる。そしてその岩盤のすぐ横の土の盛り上がり部分に右足を置いて体重移動した瞬間、右足の足首から

グギッ

と鈍い音がした。音のした方をパッと見ると普通ではありえない角度で足首が曲がっているのが分かった。でもどうすることも出来ない。私の体は15度、30度、45度を経由して60度に傾いている。90度を過ぎてバサッと笹の斜面に倒れこんだ。

なんとか体を斜面の上に向けて膝まづく。これは確実に足首の捻挫だな。思いっきりひねった状態だ。これで墓場尾根は断念である。

とりあえず右足が動くかどうか試してみる。するとなんとか自分の意思通りに足は動く。ということは妙な骨折は無いということだろう。しかし痛みはある。ただし我慢できないというほどの激痛ではない。何故か「ハー」とか「フー」とか声を出すと痛みが無くなる印象。

膝まづいたままの状態で5分ほどハーフー状態。このまま動けなかったらヘリの救援を呼ばないといけないなー。でもヘリの救援はお金がかかるんじゃ無かったっけ?本当にヘリの救援を頼むんだったら財形を解約しないとお金が無いなー。財形解約はイヤなので自力で帰ろう。

今度は立ち上がってみる。両手で笹を持って直立している時には大丈夫だ。でも少しでも足首に角度をつけると痛い。よりによってこんな急傾斜の状況で足首捻挫とは。でも南尖鋒まで上がらないことには家にも帰れない。右足首に負担をかけないように右は膝だけで上がって行く。い○り方式だ。ズボンの膝の部分の繊維の隙間にはここの土が練りこまれていく。家に帰ったらこのズボンの汚れも怒られる。当然捻挫は怒られるに決まっている。自分ひとりでふらふら遊びに行くから天罰なんよと言われそうだ(-_-;)

やっとの思いで南尖鋒まで這い上がった。でもここから弥山までの道のりは遠い。ここから弥山までの稜線も岩場も多いし皿ヶ嶺の風穴登山道とは訳が違うのだ。でも右足に体重をかけるたびに激痛が走るという状態ではないのが不幸中の幸いだ。足首の角度に注意していけばなんとか歩ける。でも普通の何倍もの時間がかかる。



     続く
(こんな状態でも写真は撮りながら(-_-;))



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送